過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第三幕『岡山の美術館・博物館』
成羽(なりわ)町美術館
成羽町美術館は、成羽町が生んだ児島虎次郎の遺作絵画と彼が外遊中に収集したエジプト、ヨーロッパ、中国などの古美術品、成羽町で出土した約1億8千万年前中生代三畳紀の日本最古の化石を展示しています。

〒716-0111
岡山県高梁市成羽町大字下原1068-3
TEL.0866-42-4455

高梁市成羽(なりわ)町は岡山県中西部にある山あいの町。その中心部に、建築家・安藤忠雄氏の設計による、建物自体がアートの成羽町美術館があります。
成羽町美術館は成羽町出身の洋画家・児島虎次郎(1881-1929)の遺徳顕彰を目的に、昭和28年に県下初の町立美術館として開館しました。
この児島虎次郎。じつは前項vol.32で取り上げた大原美術館のコレクションの立役者。虎次郎は東京美術学校西洋画科選科に入学後、倉敷の大原孫三郎と出会い、大原家の奨学生となり生涯援助を受けることになります。
ヨーロッパに留学し、勉強のかたわら「日本の画学生のために」と西洋絵画の収集に奔走。モネ、マティス、ゴーギャンらの優れた絵画を持ち帰り、世界有数のコレクションへと結実させました。
成羽町美術館では、彼の初期の作品「登校」をはじめ、「紫苑と少女」「和服を着たベルギーの少女」「酒津の農夫」など、生涯を通しての代表作を見ることができます。
この人ありて、この業績あり。展示作の一点一点から、彼の才能と共に、美に対する真摯でひたむきな姿勢が伝わってきます。