岡山県赤磐市西軽部762-1
創業慶応 4年(西暦1868年)
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日本酒を作る米は、主食用のそれとは違います。「酒造好適米」と呼ばれる専用の米が主に使われます。酒造好適米として、最もよく知られている品種が、山田錦。不動の人気を保ち、各地で栽培出荷されています。
山田錦以外にも酒造好適米はありますが、山田錦のルーツをたどっていくと、ある特別な品種の米に行き当たります。それが「雄町(おまち)」。酒米として高い人気はあったものの、稲の高さが背丈ほどもあり、ゆえに倒稲しやすく、病害虫の被害を受けやすい性質から、生産量は年々減少し、酒蔵にとっては入手困難な酒米に。「幻の酒米」と呼ばれるほどに希少なものとなりました。
その雄町栽培の、本場中の本場、岡山県赤磐市に蔵を構えるのが、今回取り上げる利守(としもり)酒造。社名より商標の「酒一筋」のほうが地元では通っています。<地元の米を使い、地元の水で仕込み、その気候と風土で醸(かも)す。そうしてこそ地酒は真の地酒たりうる>と利守酒造は主張します。
雄町米、赤磐雄町の収穫祭の様子。後ろに見えるのが、利守酒造。(写真は同社のニュースブログから転載)
山田錦の定着した人気の陰で、存在が危うくなりかけていた幻の酒米・雄町ですが、この雄町復活に情熱を注いだのが、利守酒造第四代蔵主、利守忠義氏です。昭和40年代から、協力してもらええる農家とともに復活に取り組み、雄町米から純米「酒一筋」が誕生。昭和59年には「備前の酒一筋・純米大吟醸赤磐雄町」が全国新酒鑑評会金賞を獲得するに至ったのでした。
利守酒造の代表的銘柄は酒一筋(さけひとすじ)」。そのなかで、赤磐産雄町にこだわったシリーズなどを展開しています。
また同社は、国内にとどまらない日本酒の啓発活動に積極的に取り組み、県内業界では先駆者的存在として広く知られています。
「酒一筋」。いいネーミングだと思います。仕事一筋、研鑽一筋・・・。シンの強さ、意志の固さのイメージそのままに、元気な酒を醸す名蔵です。(ちなみに、利守酒造は当社の本社工場から車で10分程度の距離にあります)
写真は同社のホームページから転載しています。
日本酒の原料は米です。米と、水と、人の技。この三つが一体となって、その土地土地のおいしいお酒は生まれます。
私たち淵本重工業も、日本の文化である米作り、日本酒造りに間接的ながらかかわっています。
がんばれ日本と世界の農業。