トラクターやコンバインなど、今日の農業機械のルーツをたどっていくと、鍬や鎌などの道具類、自然の力を利用した水車などの装置、牛や馬などの家畜、最終的には人の手足にたどり着きます。
こうした能力は、現代から見れば、あまりに非力で未熟なレベルかもしれませんが、そこには、先人たちの知恵と工夫の跡をうかがうことができます。
農業先進県と言われる岡山県。各地で営々と取り組んできた農業の足跡を探訪します。
トラクターやコンバインなど、今日の農業機械のルーツをたどっていくと、鍬や鎌などの道具類、自然の力を利用した水車などの装置、牛や馬などの家畜、最終的には人の手足にたどり着きます。
こうした能力は、現代から見れば、あまりに非力で未熟なレベルかもしれませんが、そこには、先人たちの知恵と工夫の跡をうかがうことができます。
農業先進県と言われる岡山県。各地で営々と取り組んできた農業の足跡を探訪します。
〒 716-0029 岡山県高梁市向町21
TEL(0866)22-1479
休館日 | 年末年始 |
開館時間 | 9:00〜17:00 |
入館料 | 大人300円・小中学生150円 |
駐車場 | 5台 |
こちらの郷土資料館も、立派な趣のある、貴重な明治時代の建築物です。
この建物、旧高梁尋常高等小学校の本館で、明治37年(1904)建築。市の重要文化財に指定されています。良材を使い、念入りに施工してあることからも、当時の人々の、教育に対する情熱を感じることができます。
特に階上の講堂は二重折上格天井(おりあげこうてんじょう)という見事な出来ばえです。
この資料館には、市民の協力によって収集された江戸時代から昭和初期にかけての生活用具など、約3000点を展示し公開しています。残念ながら、館内は撮影禁止。ですので、貴重な展示物の数々をここで紹介することができません。あしからず。
ここ高梁近辺は、かつて高瀬舟の往来で栄え、地場産業として、明治期には葉タバコの生産が盛んでした。二階には、高瀬舟の大きな模型と、葉タバコ栽培に関する紹介コーナーもあります。
雁爪(がんづめ)
除草機が登場する以前の、水田で使う除草具。これを手に持って、稲株まわりに生えた草を取り除くわけですから、さぞかし大変だったことでしょう。万石どおし
昭和25年ころまで使われていた穀類の選別に使っていた道具。上部から穀物を入れ、滑り台の要領でふるいにかけます。鬼馬鍬(おにきんが)
昭和35年ころまで使われていた、牛にひかせて土を細かく砕く用具。トラクターの最も基本的なアタッチメントのルーツともいえます。石うす
穀物を砕いたり、粉にする道具。この石臼は砕いたものを受け止める溝があるタイプ。自然の石を彫って、これだけのものを作り上げる、名もない職人の腕前に感心させられます。高瀬舟
二階展示室には、デーンと大きな高瀬舟の模型があります。この船の特徴的なのは平底。ここに荷物を積んで高梁川を往来し、物流の主役を担ってきました。点播器(葉タバコの道具)
大正から昭和35年ころまで使われた、苗床にたばこの種子をまくための道具。種を入れて、苗床のうえで転がします。ブリキ製の円筒。種子精選器(葉タバコの道具)
大正時代のもの。たばこの種子から、種子のみを取り出す道具。稲作に使われる唐箕を小型化したようなもの。たばこの種子はとても小さいので、専用の選別機が必要でした。振り子時計【パンフレットより転載】
柱時計。この名称自体、死語になりつつあります。一家に一台。ぜんまい仕掛け、あるいは電池式。家族の暮らしと共にあった、いい顔をした時計が並びます。商家の間【パンフレットより転載】
商家の店先の一部を再現しています。タバコづくりの道具【パンフレットより転載】
明治時代、高梁の特徴的な農産物といえば、葉タバコでした。栽培の工程や、栽培に使われた道具類を展示紹介しています。二階展示室【パンフレットより転載】
この地方のお祭り(千載楽・せんざいらく)で使われていただんじりや、農耕・商工業、酒造りの道具などを展示しています。館内はいくつかのゾーンに分けられています。商家の間を再現したスペースでは、大きく立派な薬販売の広告看板が並びます。農家の間には、囲炉裏の周りに民具が所狭しと紹介されています。 ここに座って、石臼をスケッチしたのですが、周りを見まわすと、昔の人の暮らしは手仕事と、手作りの道具類によって支えられてきたことがよくわかります。
使われている素材は、石、木、竹、鉄など。それぞれの道具、用具が世の中の技術と共に進歩発展し、より便利で快適な生活用具類、今日の農業機械に結びついていることを実感させられます。