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バックナンバー:第八幕『岡山の天然記念物』
淵本重工業 おいでんせえ岡山の天然記念物
羅生門タイトル
羅生門

データ

新見市草間にある、秩父層石灰岩中の石灰洞の天井の一部が崩落して生じた東洋一といわれる天然の石門。 
造形も素晴らしいですが、かつては洞口から吹き出す低温多湿な自然条件により、この付近では、高山性や北方系などの貴重なコケ類が多く自生していました。
しかしながら、周辺の開発により冷気が弱くなり、 湿度も低下。 結果、貴重なコケの集落が大幅に減少してしまっています。
貴重な自然遺産。なんとか、次の世代へと引き継いでいきたいものです。

羅生門といえば、1950年に公開された黒澤明監督作品映画。
翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞しています。原作は芥川龍之介。
羅生門とは、平城京・平安京の正門。朱雀大路の南側にあって、北の朱雀門と相対する門のことです。
こちら岡山県新見市にある天然記念物・羅生門は、標高400m前後の草間台地にあります。
太古の時代に地下の大洞窟が一部を残して陥没。高さ40mに達する石灰岩の巨大アーチとなっています。つまりこの自然の門は、古い鍾乳洞が崩落したもの。人間と同じように鍾乳洞にも寿命があり、羅生門は鍾乳洞の死後の姿といえます。 最近も崩落が続いているため、第一の門手前で立ち入り禁止となっています。夏に訪れると冷気にあふれ、年月を重ねた孤高の立姿は、黒沢映画に出てくる朽ちかけの羅生門を彷彿させます。
さて、自然の悠久の営みを感じたら、その足で、自然の恵みをセットでいただくこととしましょう。
草間自然休養村では地元産のそばを楽しめます。そば打ち道場もあり、自分で打てばおいしさもひとしお。
この土地が育てた自然の造形と美味。たっぷりといただき、ごちそうさまです。
羅生門下から
下からのながめ。まさに「門」

草間自然休養村
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