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草間の間歇冷泉タイトル
草間の間歇冷泉

データ

草間の間歇冷泉(くさまのかんけつれいせん)は、岡山県新見市草間にあります。
国指定天然記念物(1930年指定)。
多くの間歇泉は温泉ですが、ここは珍しい冷泉。
高さ1メートル、幅50センチほどの洞孔から、一日4回、水が噴出します。




岡山市から180号線を通って高梁川沿いを遡っていくと新見市に入り、やがて急峻な山並みにはさまれるようになります。
有名な井倉洞もあり、付近の地質は石灰質。山のてっぺんの高台は、いわゆるカルスト台地となっています。
このあたりは江戸時代からそばの栽培が盛ん。とはいえ、川から遠く離れたこんな場所での暮らしは、水の確保など、さぞかし大変だったことが容易にうかがえます。
岡山県新見市草間 にある、摩訶不思議な間歇泉。地元の人は潮滝と呼んでいます。
雨の少ない時期にはほとんど涸れていますが、約4時間から10時間の周期で地下水が突然に流出を始め、最大流量に。約50分で元に戻るそうです。
この現象、石灰岩中の相当奥に小空洞があるらしく、地下水が一定量溜まると、サイフォンの原理によって流出すると考えられています。全国でも3カ所ほどしかない間歇冷泉ですが、草間の間歇冷泉は最も間歇の定期性が強いので有名です。
この水、すっきりと美味しいんで、と話してくれた地元の老人たちは、子どもの頃はまるでサルのように山を下って高梁川で遊んで、夕方また山を登って家に帰ったもんだと笑います。現代の子どもとはまるで生活スタイルが違います。皆さんお歳を召しても、じつに表情がいい。山から川へ。川から山へ。その道中も、子ども同士、さぞ楽しかったことでしょう。
子ども時代に、どんな時間を過ごしたかで顔つきや表情は決まるんだろうなと、カルストの高台からはるか下に見える高梁川を見下ろしながら思ったのであります。
間歇冷泉の説明看板
間歇冷泉の説明看板
高梁川
「夏は毎日のように川まで降りて遊んだもんだ」と地元の老人。
上り下りはすごい距離がある