素人目には、なんてことない風景であるのに、「その世界」の人たちにとっては驚きの事象や光景というものがあります。
岡山県高梁市川上町にある大賀の押し被せ(おしかぶせ/別称:大賀デッケン)も、その典型。
地学や地層に関心のない人がここに立ち寄って、説明を受けたとしても、おそらく「ふーん」と聞き流してしまうほど、見た目にどこにでもあるような光景ですが、地質学的には超有名地。なにしろ世界的にも知られているポイントなのですから。
大賀の押し被せはその名の通り、新旧の地層が逆転した「押し被せ構造」となっています。約2億年前の中生代に堆積した新しい泥岩・砂岩層の上に、約3億年前の古生代に堆積した古い石灰岩層が重なり、新旧の地層が逆転した構造になっているのです。
1925年、地質学者の小澤儀明氏によって発見され、1937年、国の天然記念物に指定されました。
もしも同様の事象が現代に再現されたら、とてつもない大地震が発生することでしょう。
いわば、地球的一大地殻変動が起きた動かぬ証拠(実際は動いたわけですが・・・)。
一見、どこにでもあるような普通の風景に中に、約一億年前に起こった、こんなすごいドラマが潜んでいたとは、いやはや、驚きです。
どこにでもあるような光景に・・・
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こんなヒミツが隠されている
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