アユモドキの「モドキ」とは、「擬」。つまり、「まがいもの」あるいは「○○のようなもの」という意味です。となると、この魚名の表現するところは「鮎に似たニセモノ魚」という、私がこの魚なら、名付けた人にずいぶん文句を言いたくなるような不名誉な名前ではありませんか。確かにこの魚、ドジョウの仲間ながら、よく見ると鮎に似ていなくもない。すらりとした形や背びれなど、なるほどそうだ。しかしこちらは貴重な天然記念物。絶滅危惧の希少種。養殖ものが幅をきかす鮎とはワケが違う。などど、アユモドキの肩を持ってしまうのは、やはりその悲しい名前のせいでしょうか。アユモドキではありませんが、世の中、見渡せば「まがいもの」であふれています。コピー品。規格外品。不良品・・・。モノを作っている側の人間なら、決して「モドキ」と呼ばれないよう精進したいものです。
不名誉な名前を付けられて、心なしかアユモドキの目が悲しそうに見えてなりません。これも私たちがモノ作りに携わっているせいでしょうか・・・。頑張れアユモドキ。日本固有種というプライドを持って、不名誉な名前をはねのけて、したたかに生き抜いていくのだ。後世に種を継承していくのだ。フレーフレー、アユモドキ。
たしかに鮎に似ているような、
ドジョウの仲間らしからぬ姿・・・ |
こちらはご存じの鮎。
アユモドキから見ればさしずめ「本家」か・・・。 |