春の倉敷。いいものです。地元にいると、その風情がもたらすありがたさもついつい見過ごしがちですが、あの春先の、倉敷川河畔の幾重もの柳が、鮮やかな新芽を春風にたなびかせているのを見ると、道行く人があまりの美しさについつい携帯電話のカメラを構えてしまうのもうなずけます。
そんな春3月の倉敷の恒例行事となっているのが、倉敷音楽祭。市民の総合音楽祭としてスタートした同音楽祭も、今年で20回目を迎えます。街角で、ホールで、プロやアマチュアたちが、ポピュラー、ジャズ、ロック、クラシックと内容も多彩に、約一週間にわたって随所で演奏会が行われます。
最近は働き盛りのお父さんたちが、昔いじったギターを再び手にしてバンドを組んだり、仕事帰りにいそいそと音楽教室に通ったりする御同輩が多いそうです。
音楽は人生の潤滑油。しかもそのクォリティはハイグレード。成分には気持ちのトゲトゲやギクシャクもなだめてくれる不思議効能が潜んでいます。
普段は工場の中の機械音や、オフィスでの雑多な音や会話にまみれて過ごす一日ですが、目と、耳と、心を癒しに、春の一日、ぶらり倉敷駅に降り立ってみてはいかがでしょう。 |