過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第五幕『岡山のお祭り』
西大寺会陽(さいだいじえよう)(岡山市 ) 開催時期/2月第3土曜日

昔から「備前平野に春を呼ぶ」と言われている「西大寺会陽(さいだいじえよう)、通称・はだか祭り」。日本三大奇祭のひとつに数えられ、不思議の国・ニッポンの姿を紹介する題材として、海外からも毎年、メディアが訪れています。
確かに、経済大国、技術立国というイメージと、真冬のしかも寒風吹きすさぶ真夜中12時に、数千人もの男衆が、締め込みひとつで二本の宝木(しんぎ)を奪い合う肉弾戦を繰り広げる姿は、まことにもって奇妙きてれつ。日本人であっても、この奇祭を生で見ると「なんじゃぁ、こりゃー」とたいていの人が感嘆の声を上げます。このはだか祭り。じつは五百年を超える歴史があり、会場となる西大寺観音院のある西大寺地区は、古くから備前南部における信仰、交易、商業の中心地として栄えてきました。
こうした各地に伝わる祭を見るにつけ、民俗信仰の伝統の力は、本当にすごいものだと思います。もうすぐお正月。普段は神仏に無関心ながら、三が日は老若男女、茶髪ピアスやミニスカートの若者も、神社に人の波となって押し寄せ、そして神殿の前では誰しもが神妙に祈る姿に接すると、日本もまだまだ捨てたものではないなと思うのです。ああ、皆さんやっぱり日本人なんだなあと、納得してしまうのです。
さて、明けて2006年。肩を組み、ワッショイワッショイのかけ声で練り歩く裸群衆よろしく、気合いを入れ、「成長」の二文字の獲得をめざして元気に邁進して参りましょう。