過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第四幕『岡山の郷土品』
 ままかり

「名物にうまいものなし」。観光客集めのために、にわか作りしたものにたいしたものはない、あるいは、すでに固定した名声への期待が高すぎたぶん、味わいがそれほどでもなかったことへの落胆からズバリ断言されてしまった「定説」です。
さて、わが岡山名物「ままかり」。これほどおいしさへの期待を、いやが上にも盛り上げる名前も珍しいでしょう。ままかりとは、まま借り。隣近所に、まま(ご飯)を借りに行くほど食が進む、ということからこの名前が付いたというのですから、食したことのない御仁からは「ほんまかいな」と、完全まゆつばモードで斜に構えるのが普通でしょう。
この、ままかり。はっきり申し上げまして、おいしさへの評価がくっきりと分かれます。写真でご覧の通り、なにしろ“光りものの小魚”そのままなのですから。
標準和名サッパ(ニシン科)。ちなみに、全国的の釣り人からは雑魚扱いの冷遇を受けております。しかし、イワシにしろ秋刀魚にしろ、たいして珍重されない魚にこそ本当の美味が潜んでいるというのも、これまた食通が声高にする真実味ある主張。岡山近海でとれたままかりは、他とはあきらかに味が違う、というのは地元料理人や食通の弁。酢漬け、甘露煮、みりん干しなど、岡山の和食店、土産物店で求めることができます。
ともあれ、おいしいかどうか、自分の好みに合うかどうかは、あくまで本人が決めるもの。それでいいのではないでしょうか。
同様に、工業製品や技術の善し悪し、使える使えない、さらには人の能力も同じこと。自分の手で実際に触って、使って、あるいは接してみて、働いてみてもらって、はじめてその真価がじわりと、わかるというものです。急ぎすぎる必要はありません。風評や噂でなく、自分なりのきちんとした尺度を持って、ものごとに対峙したいものです。
蛇足ですが、弊社の「味わい」の神髄は、決して期待を裏切らない技術と製品のクォリティにあります。お問い合わせはいつでも「おいでんせえ」でございます。