過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第三幕『岡山の美術館・博物館』
オリエント美術館
岡山市の実業家、故安原真二郎氏が、紀元前から近世までのオリエント関係のコレクションを市に寄贈してできた美術館。土器・陶器・金工品・ガラス・装身具・彫刻・モザイクなど幅広い分野の収蔵品から、オリエントの歴史と文化をわかりやすく展示しています。

〒700-0814
岡山市天神町9-31
TEL.086(232)3636

同じアジア圏域に住みながら、情報的にも、交流的にも、もっとも疎遠なのが西アジア地区ではないでしょうか。不運にも、この地への自衛隊派遣という出来事で人々の関心が集まっているのはなんとも残念なことです。
また、タリバン政権によって破壊されたアフガニスタンのバーミヤン遺跡の報道で「メソポタミア文明」という学校以来の言葉を耳にした方も多いことでしょう。
このメソポタミア文明に源を発する古代帝国からイスラム世界に到るオリエント文化を専門にする、ちょっとディープな美術館が岡山カルチャーゾーンの一角にあります。新石器時代から中世にかけてのイラン・イラク・シリアなどの出土品・美術品約3000点を展示。学術的に系統だてた展示ぶりは、高く評価されています。建物はオリエント建築風。雰囲気のいい館内には、喫茶室もあり、トルコ風コーヒー等を味わうこともできます。
常に前進あるのみの技術世界に身を置く我々ですが、技術の背景にある連綿と続く人類の英知の歴史に触れるとき、何千年も前に「文字」や「太陰暦」、「60進法」などをすでに取り入れていたという先人たちの事実に、ただただ凄いなあと、元気づけられる気がします。