過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第三幕『岡山の美術館・博物館』
夢二郷土美術館本館
竹久夢二の油彩、掛け軸、屏風、版画、デッサン、挿絵を手がけた雑誌などを展示。赤レンガ造りの風見鶏のある建物は大正時代を偲ぶにふさわしく、岡山の新名所として多くの人を迎えています。

〒703-8256 
岡山市浜2丁目1-32
TEL:(086)271-1000

たけひさ ゆめじ。大正ロマンの旗手としてご存知の方も多いことでしょう。悲哀を帯びた夢二世界ともいうべき独特の画風は、当時も高い人気がありました。美人画家として活躍する一方で、「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ こよひは月も出ぬさうな」の宵待草に代表される詩人として、また、千代紙(いまの若い子は知らないだろうなあ)のデザインや、本・楽譜の装丁を手がけるグラフィックデザイナー、イラストレーター、さらには写真家、俳人としても才能を発揮しました。今風にいえば、時代の先端を行くマルチアーチストさながらの才能発揮ぶりと言えるでしょう。
後楽園そばに建つ夢二郷土美術館本館。地元のバス会社オーナーがコレクションした作品を一堂に集めて公開しています。巷に茶髪娘が闊歩する今日、しっとり濡れた黒髪美人の愁いに満ちた姿態にうっとりしてしまうのは、貴方だけではありますまい。