過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第二幕『岡山の観光スポット2』


「よくもまあ、こんなでかい橋を作れたもんだ」「人間の知恵とはたいしたもんだ」・・・瀬戸大橋を目にすれば誰しもが抱く素朴な驚きです。華やかな建築世界と違って、縁の下の力持ち的な土木技術の世界ですが、このスケールともなると「どうだ!」と言わんばかりの雄姿。精密機械加工を本業とする我々から見ても、ちょっと嫉妬を覚えるほどの圧倒的自己表現ぶりです。
ところで、この橋を造るきっかけとなった、ある事故をご存知でしょうか。
昭和30年。多くの修学旅行生をはじめ168名もの命が犠牲になった宇高連絡船・紫雲丸衝突事故。この惨事を契機に、本州と四国を陸路で結ぶ気運が一気に高まり、オイルショックによる着工延期を経て1978年10月、ついに児島-坂出ルート着工。9年半の歳月かけて1988年4月に開通。現在、合計3ルートとなっているのはご存知の通りです。巨額の負債を抱え、〈夢の架け橋〉の意義が見失われようとしている本州四国連絡橋ですが、この雄大な姿のごとく、本州と四国をひとつに結ぶ動脈として、ますます機能して欲しいものです。