倉敷川をはさんで並び建つ、蔵造りの家並み。春には柳の芽吹きが美しく、そぼ降る雨の日はいっそう、情緒豊かな表情を見せてくれます。 白鳥が遊び、鯉が泳ぐ、倉敷のシンボルとも言える倉敷川ですが、実はもともとは潮水が入り込む運河として長年にわたって利用されていました。昭和30年代になって下流にある児島湾が締め切られてからは、潮の出入りもなくなり、悪臭漂うドブ川状態に。一時は川を埋め立てて、自動車時代にふさわしい道路にしようとの意見もありましたが、もしそうなっていたら、倉敷の魅力は半減あるいはそれ以下になっていたことでしょう。水運によって栄え、そして今は、水面 に映える白壁土蔵群が美しい一級の観光地、倉敷。そこに流れるささやかな倉敷川こそ、倉敷の街の立て役者といえるでしょう。 |