過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第一幕『岡山の観光スポット』
大木を目の前にすると、人はなぜか自然と背筋が伸びるような、真摯な気持ちになります。自分の人生や存在がほんのちっぽけなものであることを、有無を言わさず目の前に突きつけるほどの、圧倒的な年輪を内に秘めたその偉容なる立ち姿。 岡山県内随一の巨木として名高い菩提寺のイチョウ。浄土宗の開祖である法然上人が子供の頃に修行し、上人が立てた杖が芽吹きイチョウとなったとの言い伝えがある国指定の天然記念物です。樹齢はおよそ850年。幹周約13メートル。樹高約42メートル。全国4位 の巨木でありながら、いまなお樹勢は盛んだとか。名木を見上げると、ふと白楽天のこの詩が思い浮かぶ。
蝸牛角上何事を争う
石火光中此の身を寄す
富に随い貧に随うて且く歓楽す
口を開いて笑わざるは是痴人

人生は短し。仕事に、遊びに、精一杯の生を謳歌しようではありませんか。ご同輩。