過去のおいんでんせえ
バックナンバー:第十幕『おかやま元気スポット』
淵本重工業 晴れの国、岡山の元気スポット
真庭市
旧遷喬尋常小学校
真庭市
旧遷喬尋常小学校
やや猫背気味のご仁も、この立派な木造校舎を前にすれば、きっとシャキッと背筋を伸ばすはず。厳格な明治時代の先生を前に、素直な小学生になったような気分です。
さほどに、いまなお気高いオーラを放っているのが、岡山県北の真庭市にある旧遷喬(せんきょう)尋常小学校の校舎です。
明治40年(1907)に建設された、ルネッサンス風木造校舎で、設計は江川三郎八。いくつもの大規模木造建築を手がけた県の技官でした。工事期間はおよそ2年間。そして驚くべきは、その工事費。当時の町予算(経常経費)の約3倍もの巨額費用を投じたというのですから驚くほかありません。それほどに、この時代のリーダーたちの、来たるべき未来を見据えた英断と実行力は、すごいというしかありません。まさに、背筋が伸びる思いです。

廃校移転。保存。そして活用。この立派な木造校舎も、時代が求める学校の統廃合や建築基準等の問題から、平成2年、84歳にして小学校の役目を終えました。しかしながら、この校舎の威容は地域の人たちの心の支えであり、誇りでした。やがて、保存の機運が高まり、明治の先人たちが残した学校(子弟)教育への情熱を後世に伝え、また、人生の出発点を育んだ小学校時代を、ここを訪ねる人に思い出してもらい、明日への活力としてもらおうとの願いから、一般に開放。平成11年には、校舎全体が国の重要文化財の指定を受けています。

温故知新 日々の暮らしにちょっと自信を無くしたら、この校舎の前に立ってください。そして、両目いっぱいに校舎を映しこんでください。きっと、先人たちが描いた夢のエネルギーが、あなたの目を通して伝わってくるはずです。あなたに元気を届けてくれるはずです。
温故知新
■場所 
岡山県真庭市鍋屋17番1
■効能
明治人からのエール
校舎の中のようす 真庭市
旧遷喬尋常小学校
全国でも貴重な存在となった木造校舎ですが、特徴的なのは完全なシンメトリーな外観デザイン。
教室棟廊下

教室棟廊下は幅広く分厚い松材を使用してあり、戸の板壁は全面無節の杉材。当時の工匠たちの情熱と技術の結晶ともいえる建物です。
「三丁目の夕日」など、いくつもの映画撮影がここで行われました。
教室内も当時のままの面影を残していることから、「三丁目の夕日」など、いくつもの映画撮影がここで行われました。ボランティアガイドもおり、また、「なつかしの学校給食」を食べるイベントも開催されています。