インドでは、牛は神様の使いとされています。じつは、岡山に、牛がご神体という嘘のようなホントの神社があるのです。その名も、田倉牛神社(たくらうしがみしゃ)といいます。
かつては飼い牛の病気平癒が祈願されていましたが、現在は家内安全、五穀豊穣、商売繁盛も祈願されます。昔からご利益があったため、それにあやかろうと裾野が広がっていったのでしょう。
面白いのは、お参りのシステム。お参りする人は備前焼製の子牛(参道脇で販売)をお供えします。普通なら、このままでしょうが、お参りした人はお供えした代わりに、すでに供えてある牛一体を持ち帰るのです。家でお供えして、願をかけるわけですね。そして、大願成就したあかつきには、さらに一体を添え、計2体でお返しするのです。
こうしたシステムだと、御利益があれば、自然と牛の置物の数は増えていきます。境内にうず高く積まれた牛の数、なんと20万体とも言われています。つまり、それだけご利益の証と言えるわけですね。それにしても、見ていてて圧倒されます。周辺には柵が張り巡らされていますが、これは置物の山が崩れるのを防止するため。参拝者は柵の中に手を伸ばし、牛を供えるとともに、選んで持ち帰ります。
ありがたいご利益パワーを秘めた牛の置物がこちら。れっきとした備前焼で作られた、愛らしい置物です。大きさはヒヨコくらいですが、ずっしり重いです。存在感あります。
お顔は、一体一体、微妙にちがいます。型も違いますし、備前焼独特の自然釉薬の焼き上がりにより、表情が異なります。そのまま、置物にしたいくらいです。
おなかには、空気抜きの穴があいています。
当社が作っているのは、精巧な機械部品ですが、それとは真逆な、手造りのアナログな感じが手によく馴染みます。
では、しっかりお願いするといたしましょう。日本のものづくり、頑張れ! 負けるな、東北!復興祈願。