敵から攻められにくく、また、まわりの状況をよく把握するために、お城を山の上に築くのは各地で見られること。しかしながら、岡山県高梁市の北側、臥牛山(がぎゅうざん)に建つ備中松山城の山城ぶりは半端ではありません。なにしろ現存する山城としては日本一高いところ(標高430メートル)にあるのですから・・・。山の中腹にある駐車場に車を止めて、天守閣に続く細い道をくねくねと上ること約20分。よくもまあ、こんな不便なところに建てたもんだと、はずむ息の中で思うことしきり。当時の人はさぞかし食糧の運搬や水の補給に苦労したことでしょう。小さいながらもどっりとした天守閣は17世紀に建てられた当時のままの姿をとどめており(国指定重要文化財)、長年にわたる修復工事も完成し、石垣や櫓も立派に復元されています。お城から見おろす、高梁川沿いに開けた市外の眺めは最高。春は桜、秋は紅葉の名所。殿様気分で愛でるのはけっこうですが、酔った足で、山道で転ばないよう、ご用心、ご用心。 |